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夜9時、仕事帰りのスーパー。レタスを手に取って値札を見て、そっと元の場所に置いた。カゴの中はカップ麺と冷凍チャーハンだけ。「今週は野菜、いいか」とレジに向かいながら、スマホで「野菜 高い 買えない」と打つ。俺も同じ売り場で、同じことをしたことがある。
先に言っておく。今月値上がりしているのは、野菜の全部じゃない。
先に結論:高い品目を外して、野菜ゼロの週は作らない
①今月高い見込みの品目(はくさい・レタス・ピーマン)は、カゴから外す。 ②平年並みか安い見込みの品目から、今週の主役を1つ決める。 ③葉物の役は冷凍に任せる。野菜ゼロの週は作らない。
どれが高くて、どれがそうでもないのか。国の見通しから順に見ていく。
「高い」は品目ごと。10月の見通しはこうなっている
全部の野菜が高いなら、俺も今月はあきらめろと言う。でも、そうはなっていない。農林水産省が9月30日に出した10月の見通しでは、はくさいやレタスが平年より高い一方で、たまねぎとじゃがいもは平年より安い見込みだ。
農水省・10月の野菜価格の見通し(9月30日発表)
| 見込み | 品目 |
|---|---|
| 平年より高い | はくさい・レタス・ピーマン |
| やや高い | ほうれんそう・ブロッコリー・きゅうり・なす・トマト |
| 前半は平年並み、後半からやや高い | キャベツ・だいこん |
| 平年並み | にんじん・ねぎ・さといも |
| 平年より安い | じゃがいも・たまねぎ |
「平年」は過去5か年の平均で、「平年並み」はその概ね90〜110%のこと。表の値動きはあくまで見込みで、確定した値段ではない。
なぜ高いのかは、一言で足りる。たとえば長野県産のはくさいは、9月の長雨と日照不足で生育不良などが出ている、と見通しに書かれている。
一人分の買い物なら、野菜は1回に2〜3品あれば回る。家族の分を買う人は全部の品目を少しずつそろえる工夫が要るが、一人ならその2〜3品を、表の『平年並み』『平年より安い』の段から選べば済む。『平年より高い』『やや高い』の段の品目は、今月は見送っていい。

野菜をゼロにした週は、目標がもっと遠のく
「高い週くらい、野菜なしでも」と思うよな。その気持ちは分かる。ただ、国の調べでは、20歳以上が1日に食べている野菜は平均258.7g(令和6年国民健康・栄養調査)。健康日本21(厚生労働省)の目標は1日350g以上。ふだんの週でも約90g足りていない計算になる(350gと258.7gの差)。
その差がある上に、野菜を買わない週を作れば、差はさらに開く。怖がらせたいわけじゃない。値段に合わせて買う品目を入れ替えれば、野菜を買う週を途切れさせずに済む、という話をしたいんだ。
足りない分を日々どう埋めていくかは、一人暮らしの野菜不足の話に続きを書いてある。
カゴの入れ替えは3ステップ
- 高い見込みの品目を外す。 はくさい・レタス・ピーマンは、今月は見送る。
- 安い・平年並みの品目から1つを主役にする。 たまねぎ、じゃがいも、にんじん、ねぎのどれか。数日は同じ品目で回す。
- 葉物の役は冷凍に任せる。 冷凍のほうれん草やブロッコリーを1袋。
主役の使い方に凝る必要はない。たまねぎは汁に入れる、じゃがいもはレンジにかける、にんじんやねぎは炒め物に足す。俺の実感だと、たまねぎやじゃがいも、にんじんは葉物より持つから、数日同じ品目で回すのにも向いている。
気をつけたいのは、2品目以降を「せっかくだから」と『高い』『やや高い』の段から選んでしまうことだ。主役が決まったら、残りの1〜2品も『平年並み』『安い』の段か冷凍から選んでくれ。
葉物の代わりは冷凍に任せる
ほうれん草やブロッコリーを冷凍で買うのは、高い月の逃げ道じゃない。ふつうの買い方のひとつだ。農水省も「野菜の日」のシンポジウムで、需要が増えている冷凍野菜を取り上げ、上手な使い方を紹介していた。
日本冷凍食品協会によると、ほとんどの冷凍野菜は凍らせる前に90〜100℃の湯や蒸気で、調理するときの7〜8割ほどまで加熱してある。袋から出した時点で、もう7〜8割は火が通っているわけだ。みそ汁に入れるか、レンジで温めて皿に盛るか。どちらでも緑の1品になる。
栄養が抜けていないかも気になるよな。同じ協会の説明では、この下ゆででビタミンCは若干減るが、その減り方は生の野菜を加熱調理したときと同じだという。協会が紹介する研究では、−18℃以下で保存したほうれん草は、12か月後もビタミンCが94%残っていた。ただしこれは研究の保存条件での話で、家の冷凍庫で何か月もつかを言っているわけではない。
使う分だけ袋から出して、口を閉じて冷凍庫に戻す。残りは次の汁物の分になる。一人の台所には、この出し入れの軽さが効くんだ。
冷凍野菜を買い置くなら、記事の下に楽天で扱っている冷凍野菜を並べておいた。冷凍食品を毎日の食事にどう組み込むかは、冷凍食品の話にまとめてある。野菜以外も含めて栄養の整え方を知りたいなら、栄養バランスをまず3つに絞る話へ。
来月も、自分で見られるようにしておく
この記事の表は10月の見通しだ。週ごとの値動きは、農林水産省の今週のお手頃野菜というページで毎週更新されている。10月9日の更新では、たまねぎが大変お買い得、だいこん・にんじん・ねぎ・トマトも平年を下回る値段だった。
上の表でトマトとだいこんが「やや高い」側にあるのと食い違って見えるかもしれない。表は10月全体の見通しで、こちらはその週の値段だから、見ている時点が違う。
ひとつだけ注意がある。このページの値段は東京都中央卸売市場の卸売価格で、スーパーの値段ではない。売り場の値札と同じ数字だと思わずに、どの品目が平年より安いかの向きだけ拾って、今週の主役を決める材料にしてほしい。
よくある迷い
野菜はいつ安くなる? いつ安くなるかは、俺は言い切らない。上の表は10月の見通しで、11月から先のことは載っていない。週ごとの動きは「今週のお手頃野菜」で追うのが確かだ。
野菜ジュースで代わりにならない? 俺は勧めない。高い月こそ、安い品目と冷凍で、野菜は野菜で食べる。
野菜の入ったカゴでレジへ
値段が上がった月にやることは、カゴに入れる品目の入れ替えだけだ。料理の腕も、我慢も要らない。
- 食費そのものを締めたい → 一人暮らしの食費を月2万円台に抑える話
- 売り場で予定に無い物まで買ってしまう → スーパーで余計なものを買う話
- 買った野菜を使い切れずに捨てている → 食材が使い切れない話
- 一人暮らしの食事をまとめて見直したい → 一人暮らしの冷凍宅食の使い方
レタスを置いたその手で、たまねぎを1つ。来週の売り場では、その1つがカゴの最初の野菜になる。
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