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仕事帰りのスーパーの鮮魚棚の前で、鮭の切り身のパックを手に持ったまま迷っている一人暮らしの男性

仕事帰りのスーパーで、鮭の切り身のパックを手に取る。うまそうだ。でも頭に浮かぶのは、焼いたあとのグリルの網と受け皿。そっと棚に戻して、豚こまと袋麺をかごに入れる。帰って思い返すと、今週の晩飯は肉と麺ばかりで、魚は一度も出てこない。

先に結論:グリルを外せば、魚は家で食える

魚が嫌いになったわけじゃないなら、面倒なのはグリルのほうだ。

魚の日の戻し方

①焼くなら、フライパンにくっつかない加工のホイルを敷く。洗うのはフライパンだけ。 ②焼く気がしない日は、焼いてある魚・温めるだけの魚を買う。 ③それも無理な週は、魚にこだわらず晩飯を惣菜の宅配に任せる。

どの道も、グリルは使わない。網をこする場面は、この先1回も出てこない。そこだけ覚えて、先へ進もう。

嫌いになったわけじゃないのに、魚は減っている

農林水産省の広報誌によると、日本人1人が1年に食べる魚介類の量は、2001年をピークに減って、2023年にはほぼ半分になった。

その一方で、魚料理が「好き」「やや好き」と答えた人は約9割いる(大日本水産会の調査・令和元年度)。水産庁の水産白書も、魚の消費が減っているのは魚が嫌いだからではない、と見ている。

鮭の切り身に手が伸びたのは、食いたい気持ちが残っているからだ。棚に戻させたのは、焼いたあとに待っている洗い物だ。そこを外せば、切り身はかごに入れやすくなる。

一人暮らしに残る壁は「高い」と「面倒」

農林水産省が消費者モニター987人に、肉と比べて魚をあまり買わない理由を聞いた調査(2019年12月〜2020年1月)がある。水産庁の水産白書に載っている数字から、3つを抜き出した。

理由答えた人の割合一人暮らしには?
肉を家族が求めるから45.9%当てはまらない
魚は価格が高いから42.1%残る
魚は調理が面倒だから38.0%残る

この調査は一人暮らしに限ったものじゃない。だから表の1行目の「家族が求める」は、一人で暮らすお前には無い理由だ。残るのは「高い」と「面倒」の2つ。値段は財布との相談になる。でも、38.0%の人が挙げた「面倒」のほうは、道具と買い方で外せる。

焼くのは1切れ、洗うのは家族の分と同じ

グリルで鮭を焼くと、あとで網と受け皿を洗うことになる。水を張るタイプなら、その水も捨てる。

この片付けは、家族4人分の切り身を焼いても、一人で1切れを焼いても、ほとんど変わらない。1切れあたりで割れば、焼く数が少ないほど洗い物は重くなる。そのうえワンルームは、台所と寝る場所が近い。焼いた匂いが、布団のある部屋まで回ってくる。

俺だって、1切れのために網をこするのは億劫だ。だから、グリルの使い方を工夫するより、グリルを使わずに魚を食う道を持っておく。この記事の答えはそっちだ。

狭いシンクで魚焼きグリルの網と受け皿を洗う男性の手元。調理台には焼いた鮭が1切れのった皿

グリルを使わない順番:ホイル、焼いてある魚、惣菜の宅配

①フライパンにくっつかないホイルを敷いて焼く

最初の道は、焼く場所をグリルからフライパンに移すことだ。フライパン用のホイルには、くっつかない加工をしたものがある。その一つを出しているメーカーは、「油なしでもくっつかない」と説明している。

段取りはこうだ。

  1. フライパンにホイルを敷いて、切り身をのせて焼く
  2. 食べ終わったら、ホイルは丸めて捨てる
  3. 洗うのはフライパンだけ。網も受け皿も出てこない

網と受け皿の2つを洗うより、フライパン1枚で済むほうがずっと楽だ。

焼く魚は、まず鮭の切り身から。水産白書によると、切り身で売られることが多く調理しやすい魚は、魚全体の消費が減るなかでも比較的安定して食べられている。その例に挙がっているのが鮭だ。

同じメーカーからは、電子レンジで魚を焼く専用の容器も出ていて、「グリルを使わず後かたづけ簡単」と説明されている。

②焼いてある魚・温めるだけの魚を買う

焼く気力も残っていない日は、焼くのをやめる。焼いてある魚や、温めるだけで食べられる魚を買う。

手抜きだと気にする必要はない。水産庁の水産白書は、調理が面倒だと敬遠されがちな魚を手軽に食べられるようにすることも、魚食普及の1つとしている。国は、電子レンジで温めるだけ、フライパンで炒めるだけで食べられる魚の商品を「ファストフィッシュ」として選んでいる。2020年3月末の時点で、延べ3,342商品あった。焼いてある魚を買うのは、国が広めようとしている側の食べ方だ。

焼いてある魚を手に入れる場所は、暮らしに合わせて選べる。

焼かない日の洗い物は、皿くらいのものだ。

③それも無理な週は、惣菜の宅配に晩飯を任せる

残業が続いて、スーパーに寄る気力も無い週はある。そういう週は、魚にこだわるのをいったんやめて、晩飯ごと惣菜の宅配に預ける。

たとえばミールセレクトは、240種類以上から惣菜を選べる宅配で、1人分から頼める。どんな人に合って、どんな人に合わないかはミールセレクトの記事で分けてある。

魚の日が1週飛んでも、翌週に①か②へ戻れば、またそこから始まる。

魚の日を週1回から戻す段取り

いきなり毎日は要らない。家で魚を食う日を、週に1回作るところから始める。

週1回の魚の日
  1. 曜日を1つ決めて、その日はホイルで焼くか、焼いてある魚を買う
  2. 焼くなら、最初は鮭の切り身から
  3. 匂いが気になる日や疲れた日は、焼いてある魚に切り替える

体のために食え、とは言わない。目当ては、家で魚を食う日が週に1回戻ってくることのほうだ。焼かない日があっても、魚の日は魚の日だ。

よくある質問

Q. グリルで焼いたあとの匂いは、どうやって消す?

消し方を覚えるより、焼かない日を作るほうが早い。匂いが気になる日は②の焼いてある魚にすれば、部屋で魚を焼くこと自体がなくなる。

Q. 魚の缶詰でもいい?

いい。焼かない魚のなかでも、棚に置いておけるのが缶詰の強みだ。どの缶を選ぶかは、上で紹介した缶詰の記事で比べている。

グリルを出さない週も、魚の日は作れる

料理そのものが苦手なら、まずはレンジだけで一食を組む電子レンジの自炊の話を。フライパンの枚数や大きさが今の暮らしに合っているかはフライパンの選び方、台所が狭くて焼く場所がないなら狭いキッチンで一食を組む順番を見てほしい。肉と魚が足りているかは、タンパク質不足の記事で量から確かめられる。

肉と麺ばかりの週が続いていても、魚の日は週1回から戻せる。グリルの網には、触らないままで。

ワンルームの小さな食卓に並んだ焼き鮭1切れとご飯。奥のコンロにはフライパンが1枚だけ置かれている

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