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一人暮らしは本当に太りやすいのか。先に答えると、学生の研究ではその傾向が見えている。大阪大学の学生を約3年追った研究で、一人暮らしの学生は家族と暮らす学生より、体重が10%以上増えるリスクが男性で1.24倍、女性で1.76倍だった。

社会人を追った研究だと思って読まないでくれ。お前にそのまま当てはまる倍率でもない。ただ、実家を出てから体重が動いたのを、気のせいで片付けなくていい。

結論

①一人暮らしの学生は、家族と暮らす学生より体重が増えやすい傾向があった(学生の研究) ②食事の側で見る入口は3つ。夕食の時刻・夕食を抜く日・買い物かごの中身 ③直すのは量より先に、夕食の時刻と買い物の決め方

一人暮らしは本当に太りやすいのか

数字の出どころは、大阪大学の健診データを使った追跡だ。男子学生17,540人・女子学生8,854人を約3年追い、体重が10%以上増えた人を数えている。

男子学生女子学生
追った人数17,540人8,854人
約3年で体重が10%以上増えた人(全体)10.8%17.1%
家族と同居に比べた、一人暮らしのリスク1.24倍1.76倍

女子学生では、一人暮らしだと10%以上増えるリスクが1.76倍。一人暮らしは、BMI25以上(過体重・肥満)になることを予測する要因にもなっていた。

ただし、ここで言えるのは「太りやすい傾向が見えた」までだ。一人暮らしをすれば誰でも太る、とまで言える研究ではない。何が実家と違うのかを、食事の側から1つずつ確かめよう。 実家の頃と今を自分で比べてみたいなら、実家との差を4つの軸で洗い出す記事が手を貸してくれる。

働き始めて太るのは、夕食が遅くなるからか

働き始めて太った、という人の夕方を思い浮かべてほしい。定時に上がれた日と、残業で遅くなった日。差が出るのは夕食から寝るまでの時間だ。

帰宅した日(例)夕食寝る夕食から寝るまで
19時に帰れた日19時半24時4時間半
22時に帰った日22時半24時1時間半

この「寝る前2時間以内の夕食」は、健診で聞かれている項目だ。特定健診の標準的な質問票に「就寝前の2時間以内に夕食をとることが週に3回以上ありますか」という問いが入っている。

協会けんぽ青森支部が健診データをまとめたところ、就寝2時間前の食事が週3回以上ある人には、メタボ・腹囲・血圧・脂質・代謝のリスクを持つ人が多かった。男性で目立ったという。ここで分かるのは関連であって、遅い夕食が原因だとまでは言っていない。

食事時間と体重増加の関係を示したメモと時計の俯瞰

食べる時刻そのものが体重に関わる可能性を示した研究もある。スペインで20週の減量プログラムを受けた420人を、主な食事(この地域では昼食)の時刻で2つの組に分けて比べたものだ。15時より後にとった組は、早い組より体重の減りが少なく、減るペースも遅かった。食べた量・食事の中身・推定の消費エネルギー・睡眠時間は、両方の組で同じくらいだった。対象は昼食で、夕食ではない。

帰りが遅いのは、お前が好きで選んだことじゃないよな。帰りが遅い夜ほど、夕食から寝るまでの時間は短くなる。 寝る前に何かつまみたくなる夜の線引きは、夜食の記事に分けて書いた。働き始めて太る理由は食事のほかにもあるが、このサイトでは食べ方の話だけをする。

夕食を抜く学生のほうが、体重は増えやすかった

体重が増えたと気づくと、まず夕食を抜いて帳尻を合わせたくなる。その気持ちは分かる。ただ、同じ大学の別の追跡を見ると、話は逆向きだ。

追ったのは男子学生17,573人・女子学生8,860人で、期間は約3年。夕食を「ときどき以上抜く」学生は、毎日食べる学生に比べて、体重が10%以上増えるリスクが男性で1.45倍、女性で1.67倍だった。

3食のうち、抜くと増えやすかったのは夕食だけだ。 学生の研究だから社会人に同じ倍率は当てはまらない。ただ、この結果を見たうえで、夕食を抜いて体重を調整するやり方を俺は勧めない。腹を減らしたまま布団に入る夜は、作らないでおこう。

減らしたい体重があるなら、どのくらいのペースで落とすかを先に決めておくと迷わない。その話は一人暮らしのダイエットの食事にまとめてある。

買い物かごが炭水化物に寄る

実家では、肉も野菜も米も、誰かがそろえて食卓に並べてくれていた。自分で買うようになると、かごの中身はこう寄りやすい。

お前を責める話じゃない。一人分を買って一人で食べ切ろうとすると、かごの中身は日持ちして腹にたまる炭水化物へ寄っていく。疲れて棚の前に立てば、なおさらだ。

かごの中身は、店に入る前に決めておく。 棚の前で考えるから、手が楽なほうへ動く。

太る人と痩せる人の分かれ目

一人暮らしで、逆に痩せる人もいる。作るのも買いに行くのも面倒になって、食事そのものを抜く日が増える側だ。

太る側と痩せる側を分ける数字は、俺が調べた範囲では見つからなかった。言えるのは、さっきの追跡で夕食を抜く学生のほうが体重が増えやすかったことだ。抜けば痩せる、とは限らない。面倒で食べなくなって痩せた側の話は、ご飯がめんどくさくて痩せた人向けの記事に書いた。

どっちに転んだとしても、実家にあった「決まった時刻の食事」が消えたところが出発点だ。だから直す場所も同じだと俺は見ている。

今週から直す3つ

協会けんぽ青森支部は、決まった時間に3食をとることを勧めている。そこに一人暮らしの買い物を足して、今週から手をつけられる3つにした。

  1. 夕食の時刻を決める 寝る2時間前までに夕食を終える日を、週の中で増やす。帰りが遅くなると分かっている日は、温めるだけで食べられるものを朝のうちに決めておく。残業の夜の逃げ道は残業帰りの夕飯の記事に、冷凍の宅食を置いておく手はMuscle Deli のページにまとめた。
  2. 買い物リストを固定する たんぱく質(肉・魚・卵・豆腐)・野菜・炭水化物を1セットにして、毎回そろえる。たんぱく質のおかずは毎食1品入れる。
  3. 朝食用に手軽なものを置いておく 卵・納豆・バナナのように、すぐ食べられるものを買っておく。朝食を足して、3食を決まった時刻に寄せるためだ。

食べる量を削るより、食べる時刻と買い物の決め方を先に変える。明日の夕食を何時に食べるか。今夜のうちに、その1つだけ決めて寝てくれ。

たんぱく質・野菜・炭水化物がそろった一人分の夕食


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