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ジムから帰ってきて、時計を見たら21時を過ぎている。今日必要なタンパク質は、まだ半分も摂れていない。頭では分かっている。それでも鶏むね肉のパックを開けて、まな板を出す気力が湧かない夜がある。それは根性が足りないからじゃない。筋トレの自炊には、普通の自炊にはない負荷がもう一つ乗っている。その正体と、今日どう食うかを一緒に片付ける。

先に地図:筋トレの自炊は、疲労と計算の二重負荷で潰れる

普通の自炊が続かない理由は、だいたい「時間がない」「面倒」の一言で片付く。筋トレをしている人の自炊は、そこに条件が一つ増える。タンパク質量を意識しながら献立を決める、という作業だ。

「今日は何を作るか」と「タンパク質は足りているか」を、同時に考えないといけない。 これが、筋トレの自炊だけに乗っている二重の負荷だ。ジムで体力を使い切った直後に、この二重の判断を頭でやるのは、正直きつい。しんどいと感じるのは当然で、お前のやる気の問題じゃない。

負荷を分けると、だいたいこの3つになる。

負荷中身いつ効いてくるか
疲労ジムで使い切った体力・判断力帰宅直後〜調理前
計算献立とタンパク質量を同時に決める手間献立を考える瞬間
下処理鶏むね・魚・卵を毎日大量に扱う手間と傷みの早さ調理・保存の場面

面倒に聞こえるだろうな。でも、正体が3つに分かれているなら、対策も3つのどれかで足りる。全部を一気に解決しようとしなくていい。

3つの負荷を、それぞれ潰す動き方

3つは別の問題だから、それぞれ別の対策で潰していく。1つずつ見ていくから、焦らなくていい。

疲労が原因で止まるなら、ジムに行った日の調理をゼロにするのが早い。休みの日に鶏むねをまとめて焼くか茹でるかして、小分けで冷凍しておく。帰宅後にやることは、レンジで温めて器に出すだけまで減らす。ここで手を抜くのは怠けじゃない。疲れている日の判断を減らす、ただの設計だ。

計算が重いなら、毎食g単位で追うのをやめて、目の粗い基準に置き換える。トレーニングをしている人のたんぱく質は、体重1kgあたり1.6gくらいまでを目安に考えればいい。

体重65kgなら、1日104gくらいまでだ。この数字を毎食計算する代わりに、粗い基準に置き換える。見るのは「主菜に手のひら1枚分のタンパク源があるか」、それだけだ。

下処理が重いなら、そこは自分でやらない選択肢がある。鶏むねを生のまま毎日切って保存するのは、量が増えるほど傷みとの勝負になる。ここを自分で回すのがしんどいなら、無理に抱え込む必要はない。毎食g単位で計算しながら作るのが無理な日もあるはずだ。そんな日のために、高タンパクでPFCバランスを管理した冷凍宅配を条件で見てみるという選択肢もある。作る日と任せる日を分けるだけで、続けやすさはだいぶ変わる。

負荷を減らす動き方をまとめると、こうなる。

ここまでの整理

筋トレの自炊が続かないのは、疲労・計算・下処理という3つの負荷が同時に来るからだ。3つを分けて、それぞれ別の対策に振れば、毎日全部を自分でやる必要はなくなる。

まな板に積まれた生の鶏むね肉と、量りとメモが置かれた手元。疲れた手つきで箸が止まっている夜の食卓

合う人・合わない人・注意点

合う人

合わない人

注意点

タンパク質は摂れば摂るほどいいわけではない。目安を超えて積んでも、その分が筋肉に上乗せされるわけじゃないんだ。ほどほどにな。

全部を完璧にやろうとするな。疲れた日に手を抜くのは、逃げじゃない。続けるための設計だ。

今日、どれか一つだけ決めればいい

疲労・計算・下処理。今日のお前を止めているのは、この3つのうちどれかだ。全部同時に直そうとすると、また止まる。まずは1つだけ選べばいい。休みの日に鶏むねをまとめて焼くか、g単位の計算を手のひら基準に置き換えるか。それとも、無理な日だけ冷凍宅配に任せるか。どれか一個を今週試してみてくれ。

今日決めること
  1. 休みの日に鶏むねをまとめて焼くか茹でるか
  2. g単位の計算を「手のひら1枚分」の基準に置き換えるか
  3. 無理な日だけ冷凍宅配に任せるか

このどれか1つだけでいい。

よくある質問

Q. 毎日g単位で計算しないと、筋トレの意味がなくなる?

そんなことはない。厳密な計算が必要になるのは、大会に出るような一部の人だ。日常のトレーニングなら、「主菜に手のひら1枚分のタンパク源があるか」という粗い基準でも十分に運用できる。

Q. 冷凍宅配に頼るのは、自炊をあきらめたことになる?

ならない。作る日と任せる日を分けているだけだ。疲労で止まる日だけ任せて、それ以外は自分で作る、という使い方をしている人は多い。

Q. 鶏むね以外のタンパク源でもいい?

もちろんいい。魚・卵・大豆製品でも同じ考え方が使える。傷みやすさと下処理の手間が違うだけで、疲労・計算・下処理という3つの負荷の分け方自体は変わらない。