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「間食をやめよう」と決めた日の夜に、また何か食べた。そういう人間はたくさんいる。
意志の問題じゃない。間食が増えるのは、食事の設計が間食を呼び込む構造になっているからだ。その構造を変えない限り、間食はやめられない。
一人暮らしで間食がやめられない本当の原因
間食が止まらない一人暮らしに共通するのは、食事と食事の間に「正しい空腹」が来ていないことだ。
食事の量が少なすぎる。朝食を抜いて昼も軽くすませると、午後3時頃に耐えられない空腹が来る。その空腹をお菓子で埋めれば、夕食前にもまた何か食べたくなる。この繰り返しが一人暮らしの間食地獄だ。
食事の間隔が空きすぎる。昼12時に食べて、次は夜19時まで何も食べないとなれば、7時間の空白がある。その間に間食が入るのは生理的に自然な反応だ。意志でどうにかなる問題じゃない。
炭水化物に偏った食事。糖質が中心の食事は血糖値を上げ下げしやすいとされている。この乱高下が強い空腹感につながり、間食に手が伸びる、という説明がされることが多い。
間食をやめられないのは、食事の量・タイミング・栄養バランスという3つの設計ミスが重なった結果だ。
昼から夜まで6〜7時間、空腹が来る時刻を動かせ
一人暮らしの昼飯から晩飯までは、だいたい6〜7時間空く。丸半日近い空白だ。空白がでかい分、そこに間食が入り込むのはむしろ当然の話だ。
だったら空腹を我慢させるんじゃなく、空腹が来る時刻そのものを後ろにずらせばいい。
コンビニのおにぎり1個だけの昼飯だと、午後3時前にはもう腹が減る。ここにサラダチキンやゆで卵、豆腐なんかでたんぱく質を足すと、消化に時間がかかる分、腹持ちが変わってくるとされている。同じ6〜7時間の空白でも、空腹が来る時刻が1〜2時間後ろにずれれば、それだけ間食に手が伸びる回数は減る。
もちろん1〜2時間ずらせても、空白そのものはゼロにならない。それでも小腹が空いた瞬間に、わざわざ売り場まで歩く必要はない。ナッツやゆで卵のような日持ちする一品をカバンに1つ忍ばせておけば、「歩いて買いに行く」という行動自体が要らなくなる。小さなことに見えるが、毎回の「ちょっと売り場まで」を一つ消すだけで、間食の回数は思ったより変わってくる。

間食の中身より先に、月いくら使ってるかを出せ
間食の中身をアレコレ変える前に、まず金額を見てみろ。難しい計算じゃない、いつものレシートを思い出すだけでいい。
職場の下の売り場やそばの自販機で買う間食は、1回だいたい200〜400円くらいだろう。安く見えるが、これが毎日続くと月6,000〜12,000円くらいになる計算だ。間食は営業時間中にほぼ毎日起きる。3食とは別枠で、1日1〜2回のペースで積み上がる出費だから、回数の分だけ食費に効いてくる。
弁当や自炊にかけている金額と並べてみろ。1食分ぐらいの金額が、毎月「間食」という項目だけで静かに消えている。ここに気づくと、少ししんどくなるかもしれない。でも責める話じゃない、気づけば直せる話だ。中身を多少それらしいものに変えるより先に、「そもそも何回買っているか」の方が食費への影響がでかいと分かってくる。
もちろん中身を選べるなら、ゆで卵やナッツみたいに腹持ちがいいものに変えておいた方がいい。次の空腹が来るまでの時間が延びる分、買う回数自体が減ることもあるとされている。ただしこれは金額の効きを底上げする程度の話で、答えの中心はあくまで回数の方だ。面倒に思うかもしれないが、一度月額まで出しておけば、次からはいちいち考えなくても財布の紐が締まるようになる。
売り場までは数十秒。もらい物も同じ土俵で扱うな
間食が止まらない一番の理由は、売り場が近すぎることだ。
職場の下にコンビニがある。フロアに自販機がある。机の引き出しにも何か入っている。深夜で店が閉まっているわけでもない。むしろ営業時間中に、しかも仕事の合間に、歩いて数十秒の距離に売り場がある。家の買い物で在庫を減らしたところで、この距離は縮まらない。
だから見るべきは「何を買うか」じゃなく「なぜ席を立つか」だ。会議明けに体を動かしたい、電話の後に気分を変えたい――間食に向かう動機の多くは、実は「小腹が空いた」より「ちょっと一息つきたい」の方に近い。だったら自販機やコンビニに向かう前に、同じ欲求を満たす別の行動をひとつ用意しておけ。給湯室で白湯を飲む、非常階段まで出て少し歩く、それだけでいい。売り場に向かう動線を一度別の行動で断ち切るだけで、寄る回数は変わってくる。難しく考えなくていい、一日一回だけでも意識できれば十分だ。
もう一つ厄介なのが、もらい物だ。差し入れや出張土産は、自分で買ってすらいないのに手元に来る。断りにくいし、断る必要もない。ただし、自分で買った間食と同じ扱いにするな。もらった時点で「今その場で食べるか」「持ち帰って夕食後に回すか」を先に決めておけ。置き場所も、自分の間食用の引き出しとは分けておく。判断を後回しにするから、結局その場で全部食べる羽目になる。先に決めておくだけでいい。もらった瞬間に慌てて食べなくて済むようになる。
結論
一人暮らしの間食がやめられないのは、意志が弱いからじゃない。売り場が近すぎることと、昼から夜までの空白が長すぎることが理由だ。
昼飯にたんぱく質を足して、空腹が来る時刻を後ろにずらす。売り場に向かう前に別の行動を挟んで動線を断ち切る。もらい物は自分の間食と分けて、もらったその場で扱いを決める。金額は月単位で出してみて、初めて回数の多さに気づける。どれも意志の強さとは関係ない、距離と時間の測り方を変えるだけの話だ。
机から売り場までの数十秒と、昼から夜までの6〜7時間。間食が生まれるのは、いつもこの二つの隙間だ。隙間を先に埋めておけば、我慢しなくても間食は勝手に減っていく。



